第三章 怒りと哀しみと…

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「なおかつ、一度でも失敗したらデータは消える。敵としては誰かが開こうとして失敗してくれればありがたいはずだしね」 黒月の補足に、二人は頷いた。 データを開かれる可能性が皆無ではないものの、明らかに失敗する可能性の方が高い。 何より二人にはそんな技能はないのだから、襲撃までして奪う必要性はなかったはずだ。 「でも、真希が警察に届けようとしたら―」 「だからずっと見張っていたんだろう?"姿なきストーカー"として」 「じゃあ、私が感じていたのって・・・」 「やつらの監視の目だろうね。いやはや、いい勘してるよ」 今まで気になっていたものの正体がわかったが、真希の心は晴れやかとはいかなかった。 むしろ、重苦しいものが胸にわだかまっている気分だ。
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