第三章 怒りと哀しみと…

74/124
前へ
/540ページ
次へ
日常会話の延長、といった風に言われたからか、真希たちは一瞬、黒月が何を言っているのか理解できなかった。 「それって、つまり…」 「ずっと見張られてたワケ!?」 黒月がカップを手に取りながら頷いた。 「だって、アタシたち裏口使ったり、人通りの多いトコ歩いたり…」 「尾行対策はしたつもりだったんですけど」 黒月が紅茶を飲み干して、ため息をつきながらカップを置いた。 「努力は買うけどね。あんま意味はないよ」 「なんで!?」 「だって、尾行する必要がないから」
/540ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加