第三章 怒りと哀しみと…

76/124
前へ
/540ページ
次へ
「…そう簡単に動くかはわからないけど、ね」 プルルルル…プルルルル… 階下で電話が鳴った。 「真希ー。電話よ」 電話を取った、真希の母親が声をかける。 それを聞いて、真希が階下へ向かった。 「…」 「…」 「何か聞きたそうだな?」 「そりゃ、ね。いくつもあるわよ」 「だろうな」 「でも今は…」 「ん?」 「真希を助けることが最優先だから!」 「…」 「だから…、今は何も聞かない」 「…」 「アンタを信じる」 美樹の真剣な瞳を向けられ、黒月が思わず視線をそらした。
/540ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加