第三章 怒りと哀しみと…

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「自ら光らぬ月には強すぎるな」 「は?」 「日崎さんの放つ"光"がね」 「?」 それ以上のことは何も言わず、黒月は黙り込んだ。 ガチャ― 「ただいま。―って、何かあったの?」 部屋の空気が、さっきまでと違うのを感じて、真希が聞く。 「いや、別に何もないけど」 「それより真希、何の電話だったの?」 美樹の質問を聞いて、真希の表情がくもる。 「…うん。警察から、兄さんのことで確認したいことがあるから来て欲しいって」 「はぁ?何で今さら?」
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