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「ただいま~…―――」
「お帰り!レオン兄!」
と、無邪気に笑うマイク。
「あ、レオンお兄ちゃん、お帰りなさい!」
と、『縄で縛られている』ジェシカ。
「お帰り…」
と、セシルが縄を握っている。
「や!お帰り♪」
と、子供達の中に聞き覚えの無い青年の声。
「さっきの声、君?随分デカいんだね」
そして、レオンは眼前の光景に驚愕する。何の奇跡があってか、何の巡り合わせがあってか。どちらにしても到底嬉しくない神様からの導きによりそいつが子供達とじゃれ合っているのだ。
担いでいた荷物を落とす。
袋の中からぐしゃりと潰れた音がする。
握っていた新聞が落ちる。
ばさりと開いた新聞に載っている張本人が、其処に居た。
あの有名な怪盗、『カイル・アドヴァーン』が…―――『首に縄を括られて其処に座っていた』。
開いた口が塞がらない。
開いた口が塞がらない。
開いた口が塞がらない。
カイルに満面の笑みを向けられたレオンは現実を否定するべく―――まずは、ばたんとドアを閉じた。
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