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レオンは閉じた扉の前で頭を抱えていた。扉の奥にある現実をとても否定したかった。
先程、間違いなく、自分の目を疑いようもなく、視界にとても有り得ないものが写り込んだ。
レオンは混乱でぐるぐると回り始めた思考を落ち着けるべく大きく深呼吸をする。
苛立ちを覚えている男の姿があった。それは今も尚現在進行中であるため見間違うはずがない。そもそも、この世界でこの男の顔を間違える人間は居ないはずだ。居るなら寧ろ会ってみたいぐらいだ。
そして、その男が―――何故か首に縄を巻かれていた。
「何があったぁあ?!」
レオンは大声を上げながら再びドアを開け放つと、ドアが壊れて外れた。しかしそんな事気にしている場合ではない。今は目の前に居るその男の存在の再確認をして―――レオンは撃沈した。
我が家の中でカイルが子供達とじゃれ合っているではないか。
ジェシカを膝に乗せて縄で縛り、マイクにもう一本縄を渡して二人の子供は楽しそうだ。
しかしその後ろでカイルの首に縄を巻きつけているセシルは、仏頂面にて何時でも首を絞められるように物騒な準備が整っていた。
エスプレイをしたいのかエムプレイをされたいのか分からない光景が広がっていた。
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