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≪だから僕は!此処で宣言する!!≫
すると、頭が割れるような大爆音でカイルの声が夜の街に響き渡った。
きいぃん、と耳をつんざいてくる爆音の侵入を妨げるべく耳を塞ぐ。
「くそっ!博物館のスピーカをジャックしたのか!!」
《そうだよ、正解だ!ただ、こんなデカいとは思わなかった。耳が痛い…》
刑事の推測にスピーカで音量の増幅された声がしょげた。
しかしカイルは気を取り直し、空中で照らし続けているヘリコプターに向かって指を差した。
≪初代ブリタニア王が造らせた幻のコインである最後の一枚!『アクアブルー』を頂きに行く!!警察諸君!そして、報道関係者の皆様!まずは招待状として予告する!!≫
カイルは深い蒼の石が光る指輪をはめた手でシルバーのコインを見せびらかす。
≪ブリタニア王国最後にして最も最悪と呼ばれた王女メアリーの眠る街―――『マーブル』に必ず現れよう!詳細は後日、追って報告する!待っていてくれ!!≫
カイルがウィンクを飛ばすと、待っていましたと言わんばかりにカメラマンは彼を枠に収め───シャッターをカシャリとおろした。
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