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「おーい。お姉さんやーい」
高らかにアルト声で叫ぶ、もしや出掛けていないのでは?と不安がよぎる
「お姉さん。僕ですよ!ここぞとばかりの輝君ですよ!」
その瞬間店の奥からとびだしてきた
「うるせぇーっ!!」
ロングへアーの女性が走ってくる。俺は満面の笑みで返す事にした
「おはよう、いやこんにちはお姉さん。自転車直してください」
ズガーン!
顔面に膝がめりこむ。周りの風景がスローモーションになり、ゆっくりと笑顔のまま俺は地面へと向かう。
「なぜだ。絆(きずな)さん、なぜいきなりニーをくらわせる」
熊さんのかわいらしいエプロンをしている女性が仁王立ちに腕組みをして立っている
「お前はアホか。今日の朝来るって言ってたろーが、おい」
どうやら遅刻した事に腹をたてているらしい
「寝坊してさらに鍵を隠されたんだ。ごめんよ、お姉さん」
まったく・・と頭を掻く絆さん。家の事情を知っている数少ない人なので話が早くて済む
「覚えとけ。昼はアタシ一人で昼寝の時間なんだ。以後はのこのこくるんじゃない」
ようやく立ち上がりハーイと返事をする。自転車をがらがらと押している絆さん。なんだかんだで直してくれるのだ
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