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「美味しかったぁVvご馳走様(*^^*)」
マニシェは口を拭き、口紅を塗り直す。
「ではまた、午後に紅茶を用意致します。スコーンも、たくさん作っておきますね。」
タナカがニコニコしながら、紅茶セットを下げていった。
午後また、あの美味しいスコーンと紅茶を楽しめるのだ。マニシェは舌に残る旨味を唾ごと飲み下す。
午後、紅茶の余韻を楽しんでいると、突然携帯がなった。
アヴェ・マリアが流れる。この着信音はじいやだ。
「はい、もしもし…。」
『ふぉっふぉっふぉ。久々の休日、楽しんでおるかね?』
電話の向こうから、聞き慣れたしゃがれ声が聞こえる。
「えぇ、楽しませて貰ってるわ。」
『それは良かった。ところでマニシェ、昨日の仕事の依頼人から、感謝料を渡したいという連絡が入ったんじゃが…。』
「ホントに!?唯でさえ、あの腐れ政治家からお金を搾り取られて大変なのに!?」
唐突な知らせに、マニシェは驚く。
『町の皆で出し合ってくれたそうじゃ。今から取りに行ってやってくれんかのぉ…。』
「行くわ!!場所は?」
嬉しくて声が大きくなる。これは義賊の特権だとマニシェは思う。
じいやは『お前ならそう言ってくれると思ったわい。』と笑っていた。
『今日の午後1時半頃、ロンドン市街地の公園で待ってる…だそうだ。』
「市街地の公園ね、了解!」
そう言って電話を切った。今は午後1時。今から出れば、約束の時間には十分に間に合う。
「帰ってくる頃には、スコーンが出来上がってるわね…。うーん!いい感じ!!」
そう言ってマニシェは、自宅を後にした。
しかし、事件は起きたのである…。
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