その怪盗、快調につき。

2/4
前へ
/4ページ
次へ
「うーん!爽やかな朝ぁVv昨日は盗みが上手くいったから、目覚めがいいわぁ(^O^)」 そう言ってマニシェは、父親の元へ駆けていく。 「お義父様、おはようございます!」 「おはよう、マニシェ。昨日は上手くいったようだね。」 机の資料とにらめっこしていた義父・ナチスはにっこりと微笑んだ。 「昨日は国民から税金搾り取ってた腐れ政治家から、財産の半分くらい盗んでやったわ。アイツ等の悔しそうな顔ときたら、傑作過ぎよ(笑)」 自慢気に語る義娘の顔を、ナチスは心配そうに見つめる。 「マニシェ、お義父さんは心配だよ。この前なんか、銃撃戦もしたとか…。」 そう切り出したナチスの不安を振り払うかのように、マニシェは破顔する。 「大丈夫よお義父様、ヘマなんてしない。私、この腐った世界を変えたいんだもん。こんなところで死ねないわ。」 「…本気なんだね。…頑張りなさい。お義父さんはいつでも、お前の味方だよ。」 義娘の決意に、ナチスは文句はつけなかった。 マニシェはそれに、安心を感じた。 「お義父様。今日は休みなんですの。」 彼女がもじもじしながら言うと、義父はにっこりと微笑んだ。 「分かった。すぐにタナカにスコーンと紅茶を用意させよう。」 「やったぁ!お義父様だぁい好きVv」 「私も大好きだよ。」 穏やかな休日の、午前の話。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加