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妙な圧迫感を感じ目を覚ますと夜だった。
辺りは暗く、何かが出てきても可笑しくない状態だった。
「……何が起きたんだ?」
そう呟くとある違和感に気付いた。
「アー、アー」
高い、もう少し低いはずの俺の声が女性らしい高い声になっていた。
「な、何でだ?ウッ」
圧迫感が痛みに変わったので少しうめき声をあげる。
「求むは光、ライト」
詠唱し近くの木の棒を発光させ、下腹部を見た。
「な、何だこれ」
そこには徐々に大きくなる俺の腹があった。
「な…」
膨らみ続ける腹のすぐ近くに、あれが夢ではないことを証明させる光景が広がっていた。
女性のような胸と、何もない股間…
「お、おれ…グッ?!」
鈍痛が一瞬にして激痛に変わった。
「な、まさか、嘘だろ?」
激痛の正体が何故かわかってしまった。しかも其れへの恐怖の中にはっきり分かる期待があった。
数分後、俺は叫び声と共に三回目の気絶をした。
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