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高臣と紫を
静かな葉鳴りの
音だけが包み込む。
両者は一歩も
動かずただ
、相手を見据えている。
葉鳴りが
落ち着くころ、
場面は動いた。
先に動いたのは
高臣だった。
『!!!!』
高臣は一瞬で
紫との間合いを
詰め、斬りかかる。
紫は傘で一太刀を防ぐ。
『中々やるわね。
一瞬、見失ったわ。』
笑顔で言う紫。
『うそつけよ…
このスピードに
ついていける
奴なんてあっちの
世界にもいなかったぜ…』
冷や汗をかきながら
言う高臣。黒刀に
力を入れて
押そうとするが
紫の傘はびくともしない。
『それは褒め言葉として
受け取っておくわ♪』
紫は傘を横に振り
高臣を吹き飛ばす。
高臣は吹き飛ばされ
ながらも空中で
体勢を立て直し
木に着地する。
『おいおい…
そんな涼しい顔すんなよな
…さっきの一撃は
結構本気だったんだぜ…』
『じゃあ、まだ
本当の本気は
出してないのね?
楽しみ♪』
この時、彼の心の
中に『恐怖』が生まれた。
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