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高臣は木の枝から
姿を消すと、
瞬時に紫の背後に
姿を現し黒刀を振るう。
しかし、紫は
察知していたのか
振り向いて傘で防ぐ。
『…その傘
どうなってんだよ…!』
『まあ、私専用の
傘とでも言っておくわ。』
黒刀と傘の
競り合いが続き、
高臣は思いっきり
力をいれる。しかし、
紫の傘はびくともしない。
『どうしたの?』
紫は余裕な顔で
高臣に問いかける。
『ぐっ…うううう…』
高臣はなにふり
構わずに力を入れていく。
しびれをきらした
紫は傘で黒刀を
受けながら右脚で
高臣の腹部を狙う。
それが見事に
ヒットし高臣は
またも吹っ飛ばされる。
しかも、今度は
体勢も立て直せず、
50メートルほど飛ばされた後、
巨大な崖に激突した。
激突した高臣の
周りはクレーターの
ようにへこんでいる。
『ふぅ…あなたの
力ってこんなものなの?』
スキマで高臣の
目の前に移動してきた紫。
『…ヴッ…ガハッ…ガハッ…』
咽せながら血を吐く高臣。
『…わたしの
勘違いだったかしら?
しょうがないわね
…この子には
申し訳ないけど…』
スキマを作り出し
その中に手を入れて
なにかを手探りする。
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