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スキマから手を
出した紫の手には
鈍く銀色に輝く
剣を握られていた。
『死んでもらうわ…』
紫は高臣に近づき、
剣を振りかざす。
『残念ね…外見は結構、
好みだったんだけど…』
紫は剣を振り下ろした。
しかし、剣は止まっていた。
しかも、高臣の手に
よって受け止められていた。
『てめぇの都合で
俺の人生終わらすん
じゃねぇよ
…この…クソアマァァァァァァァ!』
高臣の叫び声が響く。
地を揺らし、
空気を震わす。
紫は驚き、距離をとった。
『ハァ…ハァ…』
高臣は紫を睨みつける。
高臣の体の周りには
焔が発生し、
その焔が龍の形と
なって高臣の体に
纏われていく。
『…それがあなたの
力なのね…』
紫は冷や汗を
かきながら高臣を
見つめる。
『これは疲れるから
嫌なんだがな…』
周りの焔は完全に
高臣の体に纏われた。
『覚悟はいいな…
これが龍の力だ!』
高臣は紫の
視界から消えた。
紫は辺りを
見回して攻撃に備える。
『灼けろ!焔拳!』
『なっ!?』
紫の予想とは
裏腹に高臣は
紫の懐にいた。
高臣は焔を纏わせた
拳で紫の腹部を殴る。
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