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黒いランエボ。
あのエンジン音、あのスピード、あの走り。
白い疾風と並走していたモンスターマシンで間違いない。
勇はギアを5速に切り替え、アクセルをグンと踏んだ。
「初めてだな……速水さんのチューンを施してから本気で踏むのは」
時速280キロ。
「んん、上々」
湾岸線に入ると同時に、勇はランエボを追い抜いた。
ランエボが急加速、すぐにこちらに追いつく。
しばらくの直線。
臆すと死ぬ、
退けば負ける。
湾岸線が、そういう場所だと今更気付く。
ランエボは乗用車の間を縫うように走る。
「速い……くっ」
勇は無意識のうちにアクセルから足を離していた。
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