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月曜の深夜2時―――。
勇は速水を隣にのせて、新環状線を流していた。
「ほう、なかなかこの車を乗りこなしているな」
「慣れるまで大変でしたよ……」
死神流星に出会ってから10日が過ぎた。
「このまま湾岸線までいくのか?」
「はい。」
「くくく……そーか無理するなよ」
湾岸線に入る前の合流点から、黒いランエボが出てきた。
「死神流星ッ!?」
「無茶苦茶すんなよ」
「わかってはいます……ですが、命預けてくださいよ」
そう言うと、勇はライトを点滅させ、ギアを5速にシフトアップした。
ランエボも、急加速をした。
よく見ると、黒いランエボわ所々傷がみられた。
「あの車病み上がりみたいだな」
気がつくと、2台は並んでいた。
車の間を縫い、スピードを上げていく。
ウ゛ウゥゥッ
時速300キロ―――
「――――あああ!!」
勇はアクセルを思い切り踏んで、ランエボを抜く。
怖くないと言ったら嘘になる。
だが今は、無性に楽しい。
「―――――?」
「どうした」
「なにか来ます――速い……どんどん迫って来るッッ」
ゴォオアッッ
「見つけたぞ白い疾風ウウウーッッ!ターゲットはお前だアアァ!」
勇はギアを6速に切り替え、取り付かれたようにアクセルを踏んだ。
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