出会いの季節

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あれから何日が過ぎただろう。あの一件以来、俺たちは朝誰もいない図書室で話をするのが日課になっていた。 そして、どうしようもなく北乃のことが気になっている自分がいることに気付いた。 だからと言って、この関係を壊したくなくて、ずっとこの気持ちを言えないままでいる。 「それでね、前に話した家の近くの野良猫がね、子供産んでたの! 子猫がとっても可愛くてね……希くん、どうかした?」 「えっ? どうもしないけど?」 「なんか上の空って感じだったよ?」 心配そうに俺を見る北乃。俺がうだうだ悩んでいるのを察したというか、俺がいつの間にか態度に出していたのだろう。 「北乃……。話があるんだ」 「えっ?」 「俺……北乃が好きだ!」 北乃を見ていると、どうしても言わなくてはならない気がして、止まらなかった。 今自分がどんな顔をしているのか、ちゃんと気持ちが伝わっているのか、どんな返事が待っているのか、不安で仕方ないけど、北乃から目を離すことが出来ない。
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