レオ

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僕は、ゆっくりとレオに近づき…まだ温もりのある体に抱き着いた。 ふわふわの毛に顔を埋め優しく撫でる。 もう…聞こえない。 聞く事の出来ない。 子守唄。 一緒に、じゃれあう事も眠る事も出来ない。 「ありがとう…レオ…」 僕は泣かなかった。 「悲しく…ないの?」 ママが聞いた。 「悲しくないよ…僕は毎日…レオに魔法の言葉を言ってたから」 「魔法の言葉?」 「大好きだよって…それにね…僕が泣いたり悲しんだりしたらレオは喜ばないよ。僕が泣いたらレオは心配して、おばあちゃんの所に行けないかもしれないでしょ」 ママとパパが僕を抱きしめた。 今日は聖なる日…X'mas。 僕の大好きなレオは降り出した雪の妖精達に連れられて天国へと旅立って行く。 「メリークリスマス…レオ…大好きだよ…」 キラキラと輝く雪の結晶達が僕には天使に見えた。 ーENDー
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