28人が本棚に入れています
本棚に追加
「さあさあ寄っておいで!!
今宵も奇怪な曲芸をご覧頂きましょう!!」
この町でも、大部有名に
なっただろうか。
気まぐれな団長が、気まぐれに
思い付いて開催する、
とあるサーカス。
有名になった途端に、
別の町へと移動し、
町外れにひっそりと
会場を造っている。
サーカスの合図は、
誰かの家で見つかる、赤い鎖。
「是非ともサーカスをみに来て下さいな。」
団長直々の招待を受けた家からは、必ず誰かがひとり
いなくなっていた。
「照明おっけー!!」
無邪気に舞台を駆ける少女。
「衣装おっけー!!」
舞台の袖に入ると、団員の
衣装を見渡しにっこり笑う。
「んー…こんなものかな?」
確認が終わったら少女は
そそくさと何処かに
行ってしまった。
「また団長は人材確保か?」
「あんな可愛らしい顔してさ、
やり方が強引なんだと。」
「嫌いなお母さんやお父さんと
離れて、サーカスで
楽しく遊んでみない?」
少女の言葉に拒否権は無い。
.
最初のコメントを投稿しよう!