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「私の家には、座敷わらしがいるのよ」
自慢気に話す、和服の女。
とんだ勘違いね。
この間、嬢ちゃんの蹴鞠で
遊んでいた時、たまたま
目が合っただけじゃない
家に幸福をもたらす？
おっかしいの。
そんな気前のいいこと、私が
わざわざしてあげるわけないでしょう？
前の家はなんだか
私のこと神様かなんかだと
勘違いして毎日拝むから
困っちゃった。
まぁ、お饅頭は
美味しかったけどね。
今度は座敷わらし？
そんな扱いになりそう。
別に私は幸福なんか
起こしてないんだけど。
なのに
私を見つけるとすぐに
神様扱い。面倒くさい。
いつも最後の方で、
人間は言い出すんだ。
不都合なことが起きたり
災害に見舞われたりすると
「どうして意地悪するのですか神様。」
って。
いいことも嫌なことも全部、
神様でもなんでもない私の
責任にするなんて、ずいぶん
勝手なことね。
髪につけた赤い華が揺れる。
また文句言われる前に
別のお家を見つけなくちゃ。
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