。*゚Jeanne゚*。

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まるで、赤子が腕を 捻られるかのように。 漆黒のカーテンが町を 包み始めると、少女は座って いたドラム缶から飛び降りた。 悠々とカーテンをくぐる少女を 示すかのような長く明るい髪。 わずかに残っていた光が途絶え、闇の町を制するのは 汚ならしい原色のライト。 町が汚い。 これだけ汚なければ 町に出る大人も汚なかった。 汚い町。 汚い装飾。 汚い時間。 汚い大人。 そんな場所に似合わない、 小さな少女。 のんびりと町を歩く少女に、 そっと近づき、強引に少女の 腕をつかんだ汚い狼。 夜中に見つけた世間知らずな 少女に、ちょっとした教育を。 そんなはずだった。 「お前、守護神に手を出そうとしただろう。」 「、な、なんでわかった。」 「制裁の跡が付いてるぞ。」 男は指差した。 どんな腕利きの男でも、 少女の前では、ただの赤子 同然である。 .
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