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Ryosuke.side
絶対、とか、永遠、とか、信じてなかったし、そんなのあるわけねーだろって餓鬼の頃から思っていた俺は、多分周りから見ればかやりヤな奴だったんだろう。
「山ちゃん、帰ろ」
「おう」
今隣にいる恋人にだって、永遠とかを信じてるわけじゃない。どうせ、一生付き合っていくわけじゃないんだろうし、死ぬ間際にあの頃は楽しかったな、何て思い返すこともないだろうし。
「山ちゃん、来年もまた、一緒に紅葉を見に行こうよ!」
「裕翔くん、笑いのセンスはまだまだだね」
「ちょっと、そんなつもりじゃないんだけど」
むすっとした裕翔くんをからかうようにくすくすと笑いながら、来年のことを考えてみる。もしかしたら、裕翔くんとは別の人と見に行ってるかも知れないな。いや、別れずに一緒にいってるかもしれない。・・どうなんだろ。
「山ちゃん、小指」
「小指?・・ん」
「いくよ?・・ゆーびきーりげーんまーんうーそつーいたらはりせんぼんのーます、ゆびきった!・・約束だよ?」
「・・わかった」
半ば無理矢理裕翔くんにされた行為に驚きを隠せなかったけど、最後の裕翔くんの表情を見れば、そうゆうのも悪くないかなって。素直にそう思った。
絶対の約束。
絶対を信じてもいいのなら。
end
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