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Daiki.side
今日は龍太郎の機嫌がいいみたい。いつもならみんなと居る時は避けて離れた場所にいる癖に、今日は自分から俺にくっついてきちゃってさ。例えるなら・・何だろう、ツンデレ?・・いや、薮くんとはちょっと違うんだけどな。
「・・大ちゃん」
「ん?龍太郎どうした?」
何時もの素っ気ない声質とは違い、甘えるような声にドクンと胸を高鳴らせながら、視線を隣の龍太郎に移してみる。
「っ、」
たまたま、なのか、計算、なのか。悔しいけど、龍太郎は俺よりも身長が高いわけで。いつも見下ろされてるのに、今は違う。誰からか(多分知念)教わったように、計算に近い上目使いで俺を見ながらうっすらと開いた唇。
・・待て待て待て。何ヨクジョーしちゃってんだ、俺。俺はもう大人になるんだぞ。来年ハタチの俺が、来年コウコウセイの龍太郎を襲うのか?・・いや、駄目だろう法律的に!
「・・龍太郎、そういうのは家で、ね?」
「わかった」
法律で、とか言ってた癖に結局襲っちゃいます宣言をしている俺に、待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべる龍太郎。・・ちくしょう、俺を嵌めたな。
「今日は、トクベツな」
「そのトクベツ、今日で何回目?」
山田や高木とは違い、クスクスと手で口許を覆いながら上品に(見えるだけだけど)笑う龍太郎からそっと視線を逸らす。ヤバイ、心臓バクバクしてる。
〔特別〕を君に。
トクベツは何回もあるんだよ!
end
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