君に、恋をした

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Keito.side 「けーいと!」 「わ、どうしたの?」 放課後の教室で、ぼーっと空を眺めていたら誰かがぶつかるような衝撃と共に背中に温かい温度、甘い声。・・もう帰ったと思ってたからゆっくりしてたんだけど。 「圭人こそ、こんなとこで何してたの?」 「・・侑李、その癖直した方がいいよ」 まさか侑李がまだ学校にいたとはね。・・それにしても侑李、人の質問に答えず質問で返すって癖、直した方がいいと思うよ、ほんとに。 「・・ねえ、圭人。僕ね、好きな人、出来たの。」 ・・ちょっとちょっと、いきなりどうしたんだよ。会話が全然成立してないじゃないか。 「・・侑李」 「でね、告白してみたんだ。・・ダメだったの。」 そんな悲しい顔して、俺の言葉を遮ってまで言うこと?・・他人の失恋話なんて、聞いたって嬉しくないし、おんなじように悲しくなるのは俺だけじゃないよね? 「侑李、そんな悲しそうな顔しないの。・・今は一杯泣きなよ」 「・・圭人」 ぎゅっと抱き締めてくる力が強くなる。泣いてないみたいだけど、泣きそうでいるなんてわかってるんだから。 一度体を離して正面から抱き締める。・・侑李は吃驚したような顔をしていたけど、すぐにくしゃりと微笑んだ。 泣きそうな笑顔に、恋をした。 大丈夫だよ、俺は傍にいるから。 end .
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