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「‥うわっ,何すんのっ,」
引き込まれた勢いのまま ベッドに押し倒された俺は,倒れたことへの驚きと,ダイブした先への安心感に ちょっとした悪態をつく。
「何って、ナニすんの。」
冷たくそう言い放った北山が少し怖い。
なんで?
なんで怒ってんの?
俺なんかしたっけ?
つい先程まで だんだんと腹が立ってきていたのに,
もうそんなものはすっかり消え失せて,北山の読み取れない表情と,いつもと違った冷たい視線に,鼻の奥がツンと痛くなる。
「‥っ,‥なんで怒ってんの?」
「だから。怒ってないけど、」
まだ尚怒ってないと言い張る北山は,淡々と事を進めていく。
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