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「よし、シン。一回戦ってみようぜ」
「……は!?」
戦う!? ラリノとか……?
「だってお前一度もこれ使ってないじゃないか。このまま本番に入っても慣れてない状態じゃ、せっかくの剣が勿体ない。
……大丈夫だ、本気じゃなくても良い。ただの調整だ、お前はお前の好きな様にやってみろ」
……なるほど。
確かにこの剣は一度も使っていない。技は多分そのままだろうが、威力とかは全然分かっていない。
一回誰かと戦ってみたかった。
「分かった、……でも何処でだ? それに時間もないんじゃ……」
光は全て集まった。だったらもうダロンと戦えるはず。
もうそんな時間ない。
ルリだって俺の試練の為に一回その場から消えたんだ。
ダロンが何をするか分かったもんじゃない。その為にも早く行きたかった。
「落ち着けよ、シン。唯一ダロンと戦えるのは、俺はシンだけだと思ってる。
世界を救う希望がそんな焦ったら意味ないだろ。確実に倒せる方法でいけ」
そのラリノの後ろで頷いている皆を見てみると、自分はとても焦った表情をしていたんだろう。
俺は一度大きく息を吸って、ゆっくりと吐いた。
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