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ラリノは雷鎌を掴み、ぐるぐると回転させると、準備は良いと言う様に地面にさした。
いつ見ても立派だ。
ラリノの長身にとても合っている。
「……いくぞ、クルーデル」
俺は背中に手を伸ばし、クルーデルを掴み、鞘からゆっくりと抜いた。
鞘とクルーデルの摩れる音が聞こえ、一番高い音が響いた時に鞘から抜けて、俺はそれを両手で持って構え、……ようとした。
だが、
(……っと……?)
多少よろけてしまった。それと同時に目眩もした。
終いにはラリノに「大丈夫かー?」と心配されてしまう程だ。それほど分かりやすかったんだろう。
「ああ、大丈夫だ」と言いつつも、心中には疑問が溢れていた。
久しぶりにクリスタルを使ったから、よろけてしまったんだろうか?
首を傾げていると、ラリノが「行くぞ……!」と力強く言ってきた為俺も反射的に力強くクルーデルを握った。
切れ目の長いラリノの瞳が俺を睨んだ直後、雷鎌を構えたラリノがこっちに走ってきた。
俺は足に力を入れ、よろける覚悟を胸に、振りかざされた雷鎌をとめるため、クルーデルを振った。
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