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◇◇
「帰ったぞー……ほら、シンしっかりしろ」
扉の開く音とラリノの声が聞こえ、ラダとリュウは顔をそちらに向ける。
ラリノは後ろに顔を向けて、その後ろからはぐったりとしたシンの肩に腕を回して抱えているイエローの姿があった。
「シン様!?」
ぞろぞろと仲間達が入って来る中、リュウは咄嗟に近寄った。
見てみると、シンは完全に気絶している訳では無く、うっすらと目は開いている。
外傷もあまりなく、ただただぐったりとしているだけだった。
「シン様? 大丈夫ですか?」
声をかけてみるが、微かな声で「……ぉー……」と言うだけだ。
「まあまあ、リュウ落ち着けよ。とりあえず……シンを寝かせるか」
「じゃあわいが連れていきますわ。シンの部屋で良かったですよね?」
「おう、悪いなイエロー」
「いえいえ、……よっしゃ、ケンタ! 行くで!」
「あぁ!? ……っち、めんどくせぇな……」
まあまあ、とイエローに宥められながら、イエローとケンタ、そしてシンはこの場から出て行った。
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