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出て行った瞬間、ラリノは大きなため息をついて、ソファーに座り込んだ。
それを見たリリが、苦笑して「お疲れ様です」と呟く。
「何があったのじゃ?」
ラリノの向かい側に座り、事情を聞くラダ。
リュウもその後ろに立ち、話に集中する。
「……あー……何と言うか……。シンの力のさらに奥深い場所を見たというかな……」
「深い場所?」
「すげぇ奴だ、やっぱり。更に強くなるとは思ってたが、ここまでとはな……。……そこでだ、ラダ」
しみじみと言っていた疲れきった表情は無くなり、急に真剣な表情となるラリノは、提案した。
「俺は今すぐにでもシンをダロンの所に連れていこうと思ってた。コイツなら大丈夫だと思ってた。
……だが、それは駄目だ。まだまだシンは強くなれる。足りないくらいだ」
だから、と続けるラリノはもう決意に溢れていた。
「7日……7日だ。7日間でシンをあれ以上に強くさせる」
「7日!? ラリノ、それは……」
「7日が駄目だったら5日間でもいい。何だったら3日間でもいい。とにかく俺はアイツを"あの状態"にさせない為に特訓するだけだ」
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