決意という名の恐怖

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『……そうか』 『……リリ様達から聞いたよ。トパーズが変な感じがするっていう理由も、それで分かったよ。 ……シン、あの……さ……』 リュウが俯いて、言いにくそうな姿を見て、俺はあの事だとすぐに分かった。 『分かってるさ、分かってる……。……そういえば、皆は?』 俺が最後に見た姿は、傷付いている姿だった。 あの時の出来事を思い出しても、皆は傷付いている姿ばかりが思い浮かんで来る。 皆立っていたけど、後から痛みが来る場合もある。 重症……じゃあないよな……? 『大丈夫。怪我とかしていたけど、ミリア様の力も借りて何とか……。ただ……』 『ただ?! 何だ?!』 思わず大きな声を出してしまう俺。 『落ち着け、シン! ほら……俺も初めて見るあの青い髪の人。えっと、確か名前が……』 ジャンだ。 俺はそこまで聞くと、ベッドから降りて、俺の名前を呼ぶリュウの声を無視して、階段を降りていく。 皆がいるであろう、そしてキラルールの村長、ラダさんもいるであろう、リビングの扉を開けた。
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