一日目:美しき子供

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コンコン(ノック音) ケヴィン 「アリス、居るか?」 アイリス 「ケヴィン? 何の用だろう…」 カノン 「アリス…?」 アイリス 「めんどくさがり屋な人がいてね…(苦笑」 カノン 「そうなんですか」 アイリス 「変でしょう?一文字くらい使ってくれてもいいのにね」 カノン 「ふふ そうですね」 ケヴィン 「アーリースー! 居ねぇのか?」 カノン 「出ないんですか?」 アイリス 「…そうだよね…」 カノン 「?」 アイリス 「うん、ごめんね じゃあ、ちょっと出てくる」 カノン 「はい」 アイリスN 「可愛らしく小首を傾げるカノンに癒されつつも 私はやや重い足取りで玄関に向かう」 ケヴィン 「アリス なんだよ、居るんじゃん」 アイリス 「アイリス」 ケヴィン 「そんな事よりまだそんな格好してんのかよ? 早く準備しろよー」 アイリス 「何の準備?」 ケヴィン 「バッカ!お前バッカ!」 アイリスM 「何故(ナゼ)二回言った…」 ケヴィン 「飯奢ってくれるって約束したろ? 今さっきの出来事だぜ? はぁ、何で忘れるかな~」 アイリス 「百歩譲ってご飯を食べにいく約束をしているとして、私が奢る約束はしていないんだけど…」 ケヴィン 「まぁ、細かい事はいいだろ!」 アイリス 「細かく無い…」 ケヴィン 「とにかく! あと十分で用意しろよ? 俺、腹ペコで死んじゃうから!」 アイリス 「……わかった」 アイリスN 「私はため息混じりに彼に外で待つよう促すと 部屋に戻りクローゼットを開く」 カノン 「お出かけですか?」 アイリス 「あ…」 アイリスN 「カノンの声を聞いて私ははたと気付く」 アイリスM 「私が出かけてしまったらカノン君は1人ぼっちになっちゃうよね…」 アイリス 「ねぇカノン君」 カノン 「はい?」 アイリス 「あのー… やっぱり、その格好で外に出るのって… 抵抗ある…よね?」 アイリスN 「おずおずと見上げると意外にも、彼はあっさりとした表情をしていて…」 カノン 「いえ …ですが、僕はこの部屋から出てはならないとオジサンに言われていますから」 アイリス 「オジサン? …ガルディ様の事?」 カノン 「はい、多分」 アイリスM 「聞いてない…」 アイリス 「でもそっか…なら仕方ないよね…」 カノン 「お気遣いありがとうございます、あと、スミマセン…」 アイリスN 「申し訳無さそうに目を伏せるカノン」 アイリス 「ううんっ カノン君が謝る事じゃないからっ …むしろ、私の方こそごめんなさい…」
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