CHAPTER0 怪盗たちの出会い

1/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ

CHAPTER0 怪盗たちの出会い

―俺の名前はシュウ。 話は今から何年も前に遡る。 「俺、大きくなったら悪い奴からお宝を盗む怪盗になるんだ!」 「あらあら、なんで悪い奴だけなの?」 「だっていい奴から盗んだらそれこそ悪いし。」 …昔は変に正義感があったなぁ。っても、今は立派に怪盗やってるぜ。 あ?他の二人との出会いを教えろ?ったくめんどくせぇなぁ。まあ、でもいい機会だし教えてやるよ。 まずはガウス―そこの眼鏡をかけた奴だ。こいつとの出会いは…そう、三年前か。 「けっ、なんで俺がこんなことを…」 俺はこの頃まだ肉体労働をしていた。正直、頭もよくなかったしな。きっとこれは仕方がなかったのだと思う。 「ねぇ、そこの君。」 「あぁ?」 仕事が終わって不機嫌な俺に声をかけてきたのが、このガウスだ。 「君の体は非常に強くて美しい。なのになんであんな仕事してるんだい?」 「…てめぇには関係ねぇだろ?用がないならとっとと失せろ…」 「君、シュウって名前だよね。」 「!!」 なぜかこいつは俺の名前を知っていたんだよな…今でも不思議な話だ。 「怪盗になりたいんだっけ?」 「どこからそれを…」 「僕のネットワークはとても広いからね。なめてもらっちゃあ困るよ?」 …やっぱり不思議な奴だ。今でもそう思う。 「…で、てめぇみたいな天才さんが何のようだ?」 「いや、僕も怪盗になりたくてね。」 「…」 「確かに僕の頭は人から見たらいいのかもしれない。でも体の方は弱くてね…」 「で、俺に声をかけた、と。」 「うん、そういうこと。」 にっこり笑って言いやがった。 「でも諦めたしなぁ…」 なんでて俺がぼやくと、 「うーん…そうだ、一回お試しって言うのは?」 「…なんだそれ?」 「実は今度の週末にちょっと計画を練っていてね。そのときにちょっと力のある人がほしかったんだ。もしこれが失敗したら、怪盗はバッサリ諦める。成功したら僕と組む、というのでどうだい?」 「…」 俺は頭をかいて、悩んで、そしてこういった。 「…詳しい話聞かせてもらってもいいか?」 「…!もちろん!あ、名前を名乗ってなかったね。僕はガウス。」 「俺からも改めて言う。俺の名前はシュウだ。」 俺らは近くのバーに入ると、ガウスから説明を聞いた。長い説教みたいで辛かったが、聞いてるうちにワクワクしてきたのがわかった。 「…乗った。」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!