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『緊急事態発生。コード099。施設内にいる方は各自の所属するスペースへ避難してください。
当施設の出入りが制限されます。非常用ゲートで各区は遮断されます。移動は避難通路をご利用ください。
もう一度繰り返します・・・』
ラウンジに居た人々も突然のことでかなり慌てた様子だ。
しかし、訓練が行き届いているのかパニックにはならず、それぞれ自分のいた研究室へ戻っていく。
「さあ、我々も引き返しましょう。間に合うといいのですが・・・」
鴻池は二人を促すようにラウンジの出口へと向かう。
一度目の轟音はその瞬間に起こった。耳を劈(つんざ)くような音と振動で若菜はその場に座り込む。
瑛太も腰を低くして身構えた。
出口の手前で副所長の鴻池だけが呆然と立ち尽くしていた。
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