0人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだよ…」手招きする絵夢を見て面倒臭そうに言う。
「ね!あの時みたいに押してよ」
ブランコに座り満面の笑みで絵夢が背中を押せと催促をする。
「今は押さなくても自分で漕げんだろ」冷たく言いベンチから立ち上がるとズボンに付いた誇りを祓い公園の出口へと向かおうとブランコに座る絵夢に背を向け歩き始めた。
「しゅうちゃんのケチ!」
絵夢の大きな声が背中越しに聞こえた。その内ブランコを漕ぐ音がし始めた。それは夕暮れの人気ない公園にキーコキーコと規則正しく響いた。
僕は懐かしさを感じつつ公園を後にし絵夢より先に家路へと着いた。
最初のコメントを投稿しよう!