――記憶――

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絵夢が最後のクッキーを手に取るのを待ってテーブルの上の皿を二枚重ねると落とさない様にと慎重にキッチンへと運ぶと背伸びをしシンクに置いた。 「絵夢今日はお外で遊びたい」 リビングから戻ると絵夢は口の中のクッキーを食べ終えると両手を合わせご馳走様をするとポツリと呟いた。 「今日はもう遅いから駄目だょ」 ふと時計を見るともう夕方の5時を過ぎていた。 「いやッ…絵夢、公園行きたい」 頭を左右に振っては今にも泣きそうな顔で僕を見つめる絵夢。 少し迷った…母からは5時過ぎたら絶対外に出ては駄目だときつく言われていた。 でも、絵夢は最近ずっと外に出てなかった。 理由は風邪。軽く直ぐに治ったのだが母はまだ心配らしく外出禁止令が出ていた。 ずっと外に出ていない絵夢を見て可哀想になり少し考えては僕は決断を下した。 「わかった。でもすぐ帰るんだからね!ブランコ10回したら終わりだからね。」 そう念を押し約束の指切りをすると絵夢はコクリと頷いた。
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