――記憶――

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トイレを早々と済ませ絵夢の所へと戻ろうとした時ー 「うわーん!」 大きな泣き声がした。 ただ事ではない様子にトイレを飛び出ると目に飛び込んできた光景は大きな犬が今にも絵夢に飛び掛かろうとしていた。 とっさに絵夢に駆け寄り庇うように犬の前に立ちはだかった。 犬は少し怯んだものの体勢を立て直し唸り声をあげている。 「…怖いよ」絵夢は背中にしがみつき泣いていた。 僕もガタガタと震えていた。 一人なら怖くて泣くしか術がなかったかもしれない… だけど絵夢が居る僕しか守れない守りたいと思う強さでいっぱいだった―
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