――記憶――

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「絵夢、もう大丈夫だょ」 気を取り直すと絵夢の方を振り向き同じ目線に座り頭を撫でた。 しっかりと瞑った目を恐る恐る開けてはキョロキョロと辺りを見回すと「しゅうちゃんが、やっつけたの…?」絵夢は涙目のまま不思議そうに僕に言った。 「うん。そうだよ」 僕は少し得意気に絵夢に微笑んだ。 「すごい、しゅうちゃん!絵夢はしゅうちゃんのお嫁さんになる!」 絵夢は大きな犬を追い払った事に感激したのか僕にギュッと抱きつくと不意討ちにキスをした。 頬のキスじゃなくて…唇にだった。 突然の行為に呆然としてる僕。そして無邪気に笑いかける絵夢。 夕日の中に舞い降りた天使に見えた。 ―絵夢をずっと守る― 子供ながらに心で誓った。 いつしか絵夢は特別な存在になっていったんだ…
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