0人が本棚に入れています
本棚に追加
―成長ー
―10年後
「なぁ~お前また告られちゃったんだって?」
シャープペンの先で背中をつつかれ振り返りながら「あぁ…」と少しだるそうに答えては再度机の中から僕は教科書を取りだし始めた。
「いいなー、お前モテモテで!池様だかんなぁ…」
そう言うといきなり首に腕を回されぶざけながら頭を拳で何度か軽くこづき始めたコイツは親友の成瀬 純。
成績は良くないがサッカーは抜群に上手い。
そこだけが取り柄しかない。まぁ、とにかく面白い騒がしい男だ。
後、友達思いのハートのある奴でもある。
「苦しい、離せよ」純の腕を振りほどくと乗ってこない不機嫌な僕の様子につまらなそうな表情の純。
「なんだよ、今日機嫌悪いな。もしかして生理か~?」
あっけらかんと下品な事を言って純は僕の席の椅子に腰掛けた。
その言葉に周りの女子が反応し冷たい視線を僕達二人に向ける。
最初のコメントを投稿しよう!