第3章 ‐難波 翔‐

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   艶やかに光る唇と乾いた唇が触れる寸  前、ザッというカーテンのレール音と  共に、ひとつの影が僕らを覆った。  「ゆ、諭吉?!」  無表情で僕らを見下ろしているのは紛  れもなく諭吉で。  そんな諭吉を口をぽかんと開けたまま  見ている女教師は、余程驚いたのか全  体重を僕の腹部に預けていた。
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