第2章 ‐水戸 泰一‐

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   そんな訳で、突然開かれた全校集会。  ステージ裏で校長の長い前座を聞きな  がら思い出すのは、1年前のあの日。  確かあの日も今日みたいに心地良い風  が吹いていて。前髪を靡かせて、少し  緊張しながら体育館に向かったっけ。  2年になって少し経った頃、部活もせ  ず趣味もない俺が持っていたのは有り  余る程の時間で。暇つぶしに書いた論  文が、どっかの有名な大学教授に評価  された時は冗談か何かと思っていた。
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