第2章 ‐水戸 泰一‐

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   「…戸君、水戸君!」  名前を呼ばれてハッと前を見ると、ス  テージ上で校長が手招きをしていた。  慌てて一歩を踏み出すと、途端に沸き  起こる拍手。  一度全体をゆっくり見渡すと、クラス  の最後尾に見えた彼女の姿。  あいつを退屈させんなよ。  ここに来る前、ガキ大将のように笑い  ながら言った久住の言葉を思い出す。  無理難題だなと思いながら、すでに夢  の世界へ旅立ちつつある彼女に笑みを  こぼして俺は大きく一礼をした。
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