第3章 ‐難波 翔‐

2/3
前へ
/21ページ
次へ
   「翔君、元気ないね」  腹部に跨がる甘ったるい声に意識を向  けると、純白の白衣とそれに染み付い  た薬品の香りが鼻を掠めた。  仕切りの役割を果たすピンクのカーテ  ンが、太陽光を浴びながらベッドを優  しく照らす。  「…先生がそんなことしていいの?」  そんな台詞を吐きながらも腰に手を回  すと、レンズ越しに見える瞳が妖しく  光った。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加