第1章 ‐久住 春樹‐
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「諭吉、起きろ」 これほど騒がしい教室の中でぴくりと も動かない諭吉の肩を揺すると、不機 嫌な声を漏らしながらゆっくりと顔を 上げた。 「これ、見つけたから」 まだ夢の世界にいる諭吉に手に持って いた物を見せると、特に驚いた様子も なく、少し何かを考えた後に「ありが とう」と笑顔を見せた。
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