第1章 ‐久住 春樹‐

5/10
前へ
/21ページ
次へ
   「春樹、別にいいよ」  「よくねえだろ!」  校舎裏の焼却炉で見つけた諭吉のスリ  ッパは、落書きや汚れで元々のピンク  色はもうほとんど見えない。  「誰だって聞いてんだよ」  静まり返った教室を見回せば、今にも  泣き出しそうな女グループが隅の方で  固まっている。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加