第1章 ‐久住 春樹‐

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   その笑顔を見た時、こいつを守るのは  俺だと心に決めた。  滅多に笑顔を見せない諭吉を笑わすの  は、俺の役目だと。  「…わかったよ」  諭吉の言葉に渋々頷くと、諭吉は俺の  腕を抑えていた力を弱めた。  安堵の表情を浮かべる女達の方へ振り  返り、  「今度諭吉に手出したらタダじゃすま   ねえぞ」  1人の胸倉を掴んで囁けば、再び恐怖  を色を露にしてへなへなと床に座り込  んだ。
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