4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「結局俺らの中で一番モテるのって誰なんだろ」
「「「・・・・・・」」」
「「「・・・・・・は?」」」
突然すぎる信乃の言葉に、その場にいた八犬士らは思わず声を合わせて?を浮かべた。
荘助がえっと、信乃さん?と口を開く。
「どうしたんですか、急に」
「ちょうど今これ読んでたんだけど、」
そう言って信乃が掲げたのは【南総里見八犬伝】。
「「「・・・・・・」」」
「いやなんかね、読んでたらなんかさー」
「道節とか二枚目!って書いてあるのにモテてないし」
「な゙っ?!」
「毛野も女装やめてからはなんかパッタリ回りには女気なくなってるし」
「・・・・・・」(・・・斬ってやろうかしら)
「荘助と現八にいたっては論外だしー・・・」
「「・・・・・・」」
「小文吾はよくわかんないし」
「え、ちょっ、信乃さんひどくねぇですかぃ?!」
「あ、でも俺も浜路一筋だからそうでもないかぁ、アハハ」
(((八犬伝随一のロマンス男が何を言ってやがる・・・!!!!)))
――随分とまぁすごい事をいうが、この犬塚信乃、相当な天然っ子なのである。別に悪気があって言っているわけではない。
・・・それがさらに他犬士らをいらつかせるわけだが。
そして犬士全員の心の叫びに信乃が気付く訳でもなく。
「俺はものすごーくモテんだぜ!!勘違いしてもらっちゃ困るな!!」
「お前の場合はジジババにモテモテなんだろが」
「・・・・・・」
道節の批判も毛野によって簡単に打ち砕かれる。
それでもまだくじけないのが坊ちゃま道節クオリティー。
ばっと荘助と現八らを振り向く。
「そんなこと言ったらお前らの方がよっぽどモテてねーんだろー!?ぷぷぷー、悲しいやつ!」
「何言ってるんだ」
しかし平然と言い返すのは現八。すっと何気なく荘助の隣に立っている。
最初のコメントを投稿しよう!