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「よくわからないけど……それって結構大事なことだったりする?」
「んー?そうでもないよ。〝覚醒キッド〟が苦手な人ってのはいっぱいいるし……でも遅刻寸前で、自力で行こうって思う人も中々居ないかなぁ……あはは!君ってば面白いね」
なんかよくわからないが、ウケたらしい。かくせいきっど?よくわからない言葉がぽんぽんと放たれて僕は少し混乱気味だった。
「よしっ!そんな君の根性を評価してわたしが連れってあげようかなっ」
「え、ああ…それは本当にありがたいよ。でも、遅刻は免れないね…こんなにも話し込んでてちゃもう時間が」
「何言ってるのっ!わたしが間に合わせてあげるよ!」
そう元気よくそう断言された後、突然に、がっつりと彼女に手を掴まれた。え、なに。どうゆうこと。
「ちゃんと掴まっててねっ。あまりわたしも最後まで掴んでいられる自信がないからさっ」
「え、なに……!ちょっと意味がわか──」
「んじゃ、いっくよー!トップスピードでごぉおお!!」
僕の言葉をさえぎって、元気のいい掛け声を聞いた瞬間。
「──んががッ!?」
視界が真っ直ぐにブレた。本当に真横に真っ直ぐに。
まるで録画したビデオを強制的に引き延ばしたような感じで、ちゃんと目に写っていたものが強烈に、強引に伸ばされていく。
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