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授業の後、僕が職員室に向かっていると クラス委員の新山梨子が 追いかけてきた。
「伸ちゃ~ん、ちょっと 待って」
「ん?どした?新山」
新山は なかなかの美人で 頭も良く、僕は かなり信頼していた。
「伸ちゃん、知らないの?風見くんのこと…」
「え?何が?」
新山は ちょっと声を潜めて 話し出した。
「私、風見くんと 中学も同じだったんだけど… 気に入らない先生がいると、父親に話して よく辞めさせてたの…」
「へ、へぇ…」
僕は ちょっと驚いたが 風見なら やりかねないな…と苦笑した。
「私、伸ちゃんのこと好きだし、辞めて欲しくないから…」
新山は 恥ずかしそうに言った。
「ありがとな、新山。大丈夫だから」
僕は ニコッと笑いながら 新山の頭を軽くポンっと叩いた。
…15歳に 心配されるとは、情けない…
僕は ちょっと自己嫌悪しながら 職員室に戻った。
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