伸ちゃんの苦悩

すれ違う気持ち

「拓海… ごめん。確かに 俺、素直じゃなかったよ…。俺は 拓海みたいに 真っ直ぐになれないよ。弱くて狡い嫌な大人だ…。
風見のことも… ちょっとは 可愛いと思ってる…」

拓海が 僕の目を見たまま 言葉を失っている。

「暫く… 離れたほうがいいかもな…」

「伸ちゃん… マジで…？」

拓海が 驚いて 目を見開いた。

「そのほうがさ… お互いに 相手のことが良く判るんじゃないか？」

「ヤだ… ヤだよ… 伸ちゃん。ごめん… 責めてごめん… もう 何も言わないから… そんなこと 言わないでくれよ…」

拓海の目に みるみる涙が 溜まってきた。