拓海VS風見

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暫く話して 風見が急に立ち上がった。 「俺… 帰るよ」 「え…?」 二人で 風見を見た。 「もう 判ったから… いいよ…」 風見は 寂しそうな顔をした。 「風見?」 「二人に 入る隙 無いって」 風見は ニコッと笑うと 玄関に向かう。 拓海は 見送る為に玄関に向かった。 後ろを向いたまま 風見が 小さな声で言った。 「…泣かすんじゃねーぞ…」 「ああ… 泣かさない。お前の分も幸せにする」 二人を後ろから見ていた僕は その姿に なんだか泣きそうになった。 「風見!」 「ん?」 風見が ちょっと振り向いた。 「また 月曜日に…学校で…」 風見は 少し赤い目で笑った。 「りょーかい。村上せんせ~」 じゃあな~ と後ろ手に手を振って 風見は 出ていった…。
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